第1073回 マーケティング創造研究会 |
日 時 |
2012年5月17日(木) 14:30~16:30 |
テーマ |
匂い・香りのマーケティング |
講 師 |
調香師/匂い・香り研究家 鈴木 隆 氏 |
▼人間にとって匂い・香りとは何か、匂いはコミュニケーション機能を持つ、
香り嗜好の文化性、香りのトレンド、五感マーケティングへのヒント等から
ご解説頂きました。
▼匂い・香りは生理的なものという一般イメージを持っていましたが、
匂い・香りの好き・嫌いは歴史的・社会的・文化的に形成されるというということでし た。
昔、世の中にクルマが珍しかった頃には、ガソリンの匂いはモダンなイメージを持たれた。
決してマイナスのイメージではなかった。
うん、そうだ、子供の 頃、田舎で暮らしていたが、確かにそうした記憶がある。
またタバコの匂いは大人のイメージ、カッコいいイメージが昔はありました。
世代間の匂い・香りに対する嗜好性の違いの一因も、
世代間の社会的・文化的環境の違いという面があるのでしょう。
▼マーケティング、商品開発へのヒントとして
「香りをつけることで全く新しい価値を創造できる」
「香りがつくことで商品の『目的』が変わる可能性がある」というお話は、
4月研究会のMart大給編集長の「30代主婦の求める商品価値」のお話とも符合しています。
▼また面白かったのは、「調香師の鼻は格別に優れている」というわけではなく、
調香師は訓練期間中に多くの匂い・香りを嗅ぎ、それを記憶するように訓練されるので
普通の嗅覚の人でも調香師になれる、ということでした。
(マーケティング共創協会 座間忠雄)