Zama talk

2014年12月03日
「2014年ヒット商品分析 / ヒット商品開発者座談会」伊藤 健 氏
 第1124回 マーケティング創造研究会
日 時 2014年12月3日(水)14:30~16:30
テーマ 2014年ヒット商品分析 / ヒット商品開発者座談会
講 師 日経BP社『日経トレンディ』編集長 伊藤健氏

 毎年恒例として開催している12月研究会・第1部は、「日経トレンデイ」新編集長
の伊藤健氏をお招きして「本年のヒット商品と次年の有望商品」についてご解説頂き、
第2部は、今年ヒットした商品、話題になった商品を開発担当された実務家の方々を
ゲストとしてお招きして座談会を開催しました。





(主な内容)

  [第1部]  伊藤健氏


2014年「ヒット商品ベスト30」とヒットのキーワード・市場要因

 ・個々のヒット商品について、その特徴とヒットした要因をご解説頂きました。
 ・特に本年は1位~3位までをキャラクターものが占めている。
  これはいままでにない傾向である。これらは主として子供と大人の女性に受けた。
  非日常の消費を楽しみたいという欲求に対応したもので閉塞感を破る楽しさを
  与えたものと言える。
 ・ユーザーにわかりやすいもの、わかりやすい着眼点のもの(お茶プレッソ)
 ・従来の不満を解消したもの(布団乾燥機「スマートドライ」)

 <2014年のヒットの方程式>
  (1)子供狙いの大人買い(フリクションいろえんぴつ 他)
  (2)非日常を演出(アナと雪の女王 他)
  (3)「目の付け所」に勝機(Ban汗ブロックロールオン 他)
  (4)スマホ頼りは今年も格安スマホ 他)
 

2.2015年「ヒット予測 ベスト20」とトレンド傾向

 ・2015年のヒット商品予測についてランキング20位までご解説頂きました。
 ・2015年も健康が重要なキーワード。
  ふだん日常の中で健康になるような商品がヒットするだろう。
 ・自分たちのリアル生活が充実していることをアピールする(セルフィースマホ)
 ・楽しみながら節約する(ふるさと納税パーティ)
 ・「ともだちロボット」や「燃料電池」等が新しい市場をつくるだろう。


  

  [第2部]座談会「ヒット商品開発者に聞く! ヒットのキーファクター」


 (司会進行)
    伊藤健氏

  (座談会ゲスト:社名50音順)
    味の素(株)食品事業本部 専任課長 中島広数氏
    シャープ(株)調理システム事業部 副事業部長 田村友樹氏
    ライオン(株)ビューティケア事業部 ブランドマネジャー 大古勝朗氏


  最初に実務家ゲストの方々にヒット商品開発の動機、目的、苦心した点、成果等に
 ついてご紹介頂いた後、伊藤編集長の司会進行のもとに座談会を開催しました。

  

 ライオン(株)大古氏 [制汗剤市場における新カテゴリーの創出
            ~「Ban」汗ブロックロールオンの開発とマーケテイング]


  ・成人女性のワキ意識―「汗ジミ」は「ニオイ」に続く不安
  ・制汗剤の新しい訴求軸―「嗅覚」「触覚」から「視覚」軸へ
  ・プロモーション―異業種コラボ
  ・秋冬期のニーズ掘り起し
  

 シャープ(株)田村氏 [ヘルシオお茶プレッソの開発]

  ・最初はコーヒーメーカーを目指す
  ・しかしコーヒーメーカーで競争力のある商品は難しい
  ・お茶はどうですか、の声があった
  ・お茶なら日本メーカーが参入する意味がある
  ・おいしいお茶を飲みたいという潜在ニーズはある
  ・企画会議で幹部の納得を得られず
  ・原点に立ち返り日本のお茶文化を見直す
  ・回転はねで茶筅でた点てたようなプロの仕上がり
  ・多くの人が賛同する商品は、既にある商品
  ・反対者が9割を占めるような尖りが新規アイテムには必要
 

 味の素(株)中島氏 [CookDoきょうの大皿]

  ・「CookDo」開発の目的
  ・「CookDo」が創ってきた価値とは
  ・「CookDoきょうの大皿」開発の背景
  ・狙った戦略
  ・CM展開
  ・「CookDoきょうの大皿」成功のポイントは何か

上記ゲスト講師によるお話の後、伊藤編集長の司会進行による座談会を行いました。
  






【第1部】
 伊藤編集長による「本年のヒット商品と次年のヒット商品予測」のお話の中では、
1位「アナと雪の女王」 2位「妖怪ウォッチ」 3位「ウィザーディング・ワールド・オブ
・ハリー・ポッター」とキャラクターものが上位を占めた。そこには、閉塞感を払拭し、
異世界を楽しむ・非日常に陶酔したいという背景がある。(そのことと関連している
のかどうか)消費増税の年には国民的キャラが誕生するというお話が興味深かった。

【第2部】
 パネルディスカッションでは、伊藤編集長が3人の実務家パネラーの方々に
「新商品を開発する場合の定量調査、定性調査等の役割りと活用」「企画会議等で
幹部・役員の了解を得るには」「潜在ニーズをどうとらえるか」「新商品開発で一番
苦労した点は」等々の質問をされ、パネラーの方々にお答え頂きました。
 パネラーのみなさんは、潜在的ニーズに焦点をあて、さまざまなご苦心をされ、
新商品開発に成功された方たちですのでお答えに説得力と迫力がありました。
 特に潜在ニーズの掘り起しには、定量調査や定性調査をふまえた上での(経験に
基づいた)直観力が大事という見解に今後の重要性を感じました。
 

(マーケテイング共創協会 座間 忠雄)


  • トップページ
  • これまでのセミナーリスト
  • 研究会レポート
  • CMSメンバー企業一覧
  • 講師一覧
  • 派遣講師一覧
  • CMSメンバー制度・申込み
  • お問い合わせ・ご連絡
  • 協会案内