Zama talk

2015年11月20日
「日経トレンディエキスポ『2015年ヒット商品&2016年ヒット予測』」渡辺 敦美 氏
 第1146回 マーケティング創造研究会
日 時 2015年11月20日(水)15:30~17:30
テーマ 日経トレンディエキスポ『2015年ヒット商品&2016年ヒット予測』
講 師 「日経トレンディ」発行人 渡辺 敦美 氏


 毎年12月恒例として開催している「日経トレンディ」編集長による「本年のヒット商品と次年の有望商品」は
11月20日に日経トレンディとの共催という形で開催されました。第1部は渡辺敦美氏による解説、第2部は、
3名の実務家の方をゲストにお招きしてのパネルディスカッションでした。





(主な内容)


【第1部】 2015年のヒット商品


 <解説>
   
日経トレンディ発行人 渡辺敦美氏


 ◆ 2015年に何が起こったか


・ヒット商品の買われ方や売り方が大きく変わった
→皆が知っているヒットが少なくなってきている
→大きな構造変化が起きていると見るべきだ

・その背景として(1)日本再発見 (2)SNSの本当の元年 (3)発想の勝利がある。

「発想の勝利」には、これまでの競争軸であった「技術」から軸を移すということがある。
例えばシニア向け掃除機、パナソニックから発売されてい る本体重量が2kgの世界最軽量の
紙パック式掃除機。ビックリするほど軽 い。

そして今年はSNSが一定の臨界線を超えた。例えば「レモンジーナ」がいきなり売れ切れてしまう。
「メロンパンの皮、焼いちゃいました」も<夢のメロンパン出現>というキーワードがSNSを駆けめぐり
大ヒットした。
SNS により非常な勢いで「評判」が巻き起こり短期間で売り切れてしまうという現象が起きている。

・またヒットのためには「ビックリ」「新鮮」「感動」の三段階が必要で あるが、それが顕著だったのが
今年の大きな特徴だった。これがないとイノベーションは起こらない。
新しいイノベーションとは、新しいセグメントをつくるということである。

・ヒット商品が出にくくなった背景は何かというと、消費者が生活には一応満足しているので「困っている
ことは?」と聞かれても「別に・・・」ということになってしまう。

そうした意味では、プロのマーケターとしては消費者の潜在意識の中で困っていることを見つけ出して、
それを商品として提示することができるかどうか、が腕の見せ所になる。

今年のヒット商品で言えば「折れないシャープペンシル」や「シニア向け掃除機」だろう。
シニア向け掃除機はシニアをターゲットにしたわけだが、結果的には小世帯(おひとり様、おふたり様)にも
売れている。



 

 ◆ 2016年のヒット予測


・いよいよIOT(Internet of Things)が家庭の中に入ってくるという大転換が起きる。
これがオムニ家電と結びついて大きな変化が起こるだろう。

・消費のしかたが変わる。
車からホテルからいろいろなものをシェアする動きが非常に出てくるだろう。

・買い方が変わる。
店頭では売れないが、ネットに出すと売れる。
再来年の消費税施行の前年なのでプレミアムバブルが起こる可能性がある。

・ポスト団塊ジュニア層の共働き世帯の男性の市場が拡大していくだろう。

・「消費者の問題解決」×「エンタメ」が注目されるだろう。


 

 【第2部】パネルディスカッション

  
  <パネラー>
    トランジットジェネラル オフィス 代表取締役社長  中村貞裕氏
    ジャパンインバウンドソリューションズ代表取締役社長 中村好明氏
    日清食品 取締役マーケティング部長 ズナイデン房子氏

  <司会>
    渡辺敦美氏


3人のパネラーの方がそれぞれ自己紹介された後、渡辺敦美氏の司会進行のもとでパネルディスカッションが
行われました。


 




 渡辺敦美氏の解説では、これまでの競争軸であった「技術」から軸を移すという発想の勝利、今年はSNSが
臨界線を越えた年で、非常な勢いで評判が起こり、発売直後、短期間で売り切れてしまうという現象が起こった、
消費者の潜在意識の中で困っていることを見つけ出して、それを商品として提示することの重要性等々、本年の
ヒット現象の特徴でもあり、かつ今後の商品開発のポイントでもある点をご指摘頂きました。

 またパネルディスカッションでは、若者が元気になってきた、気分が上がってきているという話題が興味深かった。

 


(マーケテイング共創協会 座間 忠雄)


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