Zama talk
2012年04月26日
消費者の潜在ニーズをとらえる「行動観察」調査の手法 越野 孝史 氏
▼「人間は様々な感覚器官から入力された情報の最大95%を潜在意識のレベルで処理している」
「消費者の思考内容の95%が無意識のうちに起っている」ということから、
消費者にコトバで答えてもらう従来の定量調査や定性調査手法の限界が問題になっています。
そうした状況下、消費者の無意識的な行動を観察して無意識ニーズをとらえる「行動観察」手法に
期待が寄せられています。
▼今回は、「行動観察」の理論と独自の方法論をもち、現在まで約350件の調査実績を持つ
(株)エルネットの越野講師をお招きして「行動観察」調査の理論的背景、方法論の特徴と
効果等について興味深い事例を交えてご解説頂きました。
▼意識調査の回答では「質の高い朝食を毎日子供に食べさせています」と答えたお母さんが
実際には、学校に行く子供に朝食代わりにバナナを持たせている例、シニアの歯磨きの例、
高校生と大学生の洗顔行動の例、草食男子の観察等「なるほど」と思いました。
ただし、この「行動観察」調査で貴重な果実が得られるかどうか、ひとつには調査観察者の
洞察力が問題になってくるだろうと思います。消費者の生活行動の実際から消費者の中に
ある無意識ニーズ、コトバでは表現出来ていないニーズをどう読みとるか、その解釈力が
問題になってくるように思います。
そういった意味では、近年、精力的に研究発表されている脳科学の知見は、これからの
マーケターにとって必修科目になるだろうと予測しています。
(マーケティング共創協会 座間忠雄)