第1074回 マーケティング創造研究会 |
日 時 |
2012年6月15日(金)14:30~16:30 |
テーマ |
消費者の「買いたい」を作り出す実践脳科学 |
講 師 |
ニールセン・カンパニー リージョナルディレクター 出塚 輝毅 氏 |
▼今回は、世界有数のニューロマーケティング調査を行うニールセン・カンパニーの
出塚講師をお招きして、消費者の無意識ニーズをとらえる、脳科学研究を活用した
ニューロマーケティングの考え方と実際についてご解説頂きました。
▼商品開発担当者にとって一番必要なことは、
「消費者が本当に必要とし、欲しているものは何か」を知ることですが、
「人間の脳は様々な感覚器官から入力された情報の最大95%を潜在意識のレベルで処理している」
と言われます。
つまり、従来のアンケート調査などで消費者が「ことば」で表現したり、
自己申告したりする回答には根本的な欠陥がある。
消費者が本当はどう感じたか、何を覚えているかを探ろうとするには無理がある。
“言うことと感じること”の違いをどうとらえるべきか。ということから
脳波計測システムを活用したニューロマーケティング調査がいま注目されています。
▼出塚講師には、買いたくなる脳と五感の関係・女性脳と老人脳の特徴、
本当に売れそうなのはどんな脳波?実践編「消費ロードマップ」、
事例紹介(ポテトチップス、ビール)等から大変示唆に富むお話をして頂きました。
▼お話を聞いていて、以前、協会の研究会講師としてヒット商品開発の事例について
何度かご解説頂いた、ある飲料メーカーの商品開発部長の顔が思い浮かびました。
その方は新商品開発で立て続けに大ヒットを飛ばしました。
もちろん、その頃はニューロマーケティングなどという言葉も存在しませんでした。
しかし、その方は消費者の無意識ニーズを直感でとらえられる人だったのではないかな、
と思いました。
飲料に限らず、他の分野でも大ヒットを飛ばす人はそうした能力の持ち主が多いのでは
ないかなと勝手に想像してしまいました。
これからの商品開発担当者には、そうした能力をいかに身につけるかということも
ニューロマーケティングの活用におとらず大きな課題になるのではないでしょうか。
(マーケティング共創協会 座間忠雄)