第1087回 マーケティング創造研究会 |
日 時 |
2013年4月4日(木)14:30~16:30 |
テーマ |
エスノグラフィ的手法を活用した生活者研究の実際 |
講 師 |
花王株式会社 生活者研究センター ライフスタイル研究室長 井上紀子 氏 |
▼元々、文化人類学が確立してきたフィールドワークを中心とする調査手法である
「エスノグラフィ」を活用した生活者研究の考え方と実際についてご解説頂きました。
1)生活者研究のスタンス
・消費者ではなく「生活者」
・現場で捉える「FACT」
2)エスノグラフィ的調査とは
・課題発見型~帰納的手法
3)調査実例
①アンチエイジング研究
―“extreme”ユーザーとは
―さまざまな分野・部門からのメンバーがステップ全体に参加する
―FACTをメンバー全員に浸み込ませるダウンロード
②入浴行動観察研究
―場面をまるごと観察する
③Web美容日記調査
―webを活用して、ゆるく長く続ける日記調査
4)生活者研究を推進するためのポイント
▼生活者の表面には見えているけれども本人は意識していない部分(FACT)を観察し、
その無意識部分を洞察、解釈する。
大変リアリティのあるお話でした。
▼現場の「FACT」をどうとらえるか、“extreme”ユーザーの存在、五感をフル活用して観察する、
行動観察調査のモチベーションは「好奇心」等々、従来の定量調査、定性調査とは趣の異なる考え方、
方法論がとても斬新でした。
質疑応答ではご参加者からたくさんの質問が出ました。
(マーケテイング共創協会 座間 忠雄)