第1088回 マーケティング創造研究会 |
日 時 |
2013年4月18日(木)14:30~16:30 |
テーマ |
新しい市場のつくりかた |
講 師 |
東海大学政治経済学部 専任講師 三宅 秀道 氏 |
▼人工衛星姿勢制御用「ジャイロ」とクルーザー、資本主義と戦争と恋愛(ゾンバルト)、
なぜエジソンにウォッシュレットがつくれなかったかという話、
そして、飲み口が斜めになっているコップ(事例)、プールの水泳帽(事例)等の
事例紹介を折りこみ、これからの「新しい市場のつくり方」についてご解説頂きました。
▼新しい市場をつくるには、次の4つのステップが必須になる。
①問題を設定する、定義の開発……これが一番の要(アートの問題)
②次に技術の開発あるは活用(サイエンスの問題)
③文化環境の開発・整備
④人々の認識の開発
この4つが必要であるが、ひとことで言えば、それは文化の開発プロセスである。
▼では、どうしたらよいのか。
まず、サイエンティフィックな合理性だけ考えていては駄目である。
理詰めに合目的的に最適解を求めてやっていたら同業他社を含め、
皆が同じような最適解になってしまって差別化ができなくなる。
だから、むりやりにでも新しい認識を持つように自分自身にショックを与える必要がある。
・モノとココロの関係性が(商品)価値である。
→価値はモノの中に存在しているわけではない。
→価値は文化的な制約を受けた人間の観念の産物である。
・発見と発明の違い・・・新しい市場つくりは「発見」ではなく「発明」である。
→そこにはクリエイティブな頭が必要で、発明は「サイエンス」ではなく「アート」である。
等々のお話を聞き、従来の商品開発やマーケテイングの考え方、捉え方にはとらわれない、
広い視野と視点、深い洞察力に感銘を受けました。
▼著書「新しい市場のつくりかた」は、18年間に及ぶ生産現場での取材と商品開発、
文化人類学、経営学、ベンチャー論研究を基に書かれています。
ぜひご一読をお薦めします。
(マーケテイング共創協会 座間 忠雄)