第1105回 マーケティング創造研究会 | |||||
日 時 | 2014年1月22日(水)14:30~16:30 | ||||
テーマ | 「ビッグデータが高度化する産業・社会・生活」 | ||||
講 師 |
今回は、総務省「ビッグデータの活用に関するアドホックグループ」構成員(2012年5月まで)、科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業CRESTビッグデータ応用領域アドバイザー(2013年6月~)を務め、『ビッグデータビジネスの時代』『ビッグデータ・ビジネス』等の著書を持つ鈴木講師に、ビッグデータ・ビジネスの最先端情報と今後の動向についてご解説頂きました。
はじめに、現在「ビッグデータ」については正式に定義されていないとして鈴木講師独自の定義をご解説頂き、その上でビッグデータビジネスのさまざまな事例(海外事例を含め)をご紹介頂きました。
(事例)
・「どのように運転しているか?」という状況に応じて保険料金を算出する
・kindleにおける、ハイライト箇所に関する集計情報(アマゾン)
・時間帯や場所により設定される電話料金の割引状況を示す
・やせるフォーク
・マット型センサ-が収集した生体データから寝苦しさを判断、
エアコンと連動して快適な温度に調整する
・回転寿司システムの高度化により、寿司廃棄率を圧縮する
・薬の服用状況をネット側が管理する
・タニマチ通信
・自動車由来データを交通行政の現場に生かす
・マタニティと芝刈り機
今後について、極端なことを言えば「広告宣伝費」という予算は「自社製品の利用動機データの収集と買い替え期の適切な把握予算」に置き換えられる可能性があるのではないか?、売り方の高度化、データ活用に関する業務分解、データのホンヤク機能の必要性、求められるお見合いおばさん(データ・サイエンティスト)等々、今後のビッグデータ活用時代について大変示唆に富むお話でした。
「ビッグデータの効用により大儲けできるというよりは、逆に効用を得ていかない限りにおいては、ビッグデータ活用を進める競合と比較して著しい劣位におかれるだろう」と結ばれました。
(マーケテイング共創協会 座間 忠雄)