第1108回 マーケティング創造研究会 | |||||
日 時 | 2014年3月20日(木)14:30~16:30 | ||||
テーマ | |||||
講 師 | 早稲田大学商学学術院 教授 守口 剛 氏 |
今回は、マーケテイングサイエンスの視点から消費者行動と価格戦略を研究されている早稲田大学商学学術院の守口教授に今後の価格戦略についてご解説頂きました。
「囚人のジレンマ」「商人のジレンマ」の話を前置きにして以下ご解説頂きました。
1.価格の重要性
・営業利益に対する価格のインパクト
・店頭プロモーションによる売上比率
2.価格の心理
・プロスペクト理論と価格効果
・参照価格の低下を防ぐ方法
3.価格競争の事例―牛丼チェーンの価格競争
・すき家、松屋の価格戦略
・吉野家の価格戦略
・低価格競合品への対抗手段
・スミノフの事例―実際の対抗策
4.価格戦略と利益モデル
・価格設定と売上・利益との関係
・獲得利益の最大化
・価格対別製品ラインの拡充
・コストコの利益モデル
・究極の価格戦略?
・顧客が自由に価格を決める方式
(まとめ)
・価格戦略を評価・検討する際には、「潜在利益の三角形」を考える。
・値引きの繰り返しは、消費者の参照価格を低下させる。
・価格設定の方法にはさまざまなバリュエーションがある。
事例を含め、主として小売業における価格戦略をご解説頂きましたが、
マーケテイングサイエンスの視点からの数字と論理の展開は、メーカーの
商品価格戦略においても大変参考になるお話でした。
(マーケテイング共創協会 座間 忠雄)