第1127回 マーケティング創造研究会 | |||||
日 時 | 2015年2月4日(水)14:30~16:30 | ||||
テーマ | 「拡大する中国健康食品市場への参入条件と成功の秘訣 ~健康志向が高まる中国における日本の健康食品への期待~」 | ||||
講 師 | 上海潤東バイオテクジャパン 株式会社 社長 陳 建君 氏 |
いまや完全にグローバル・マーケットの時代になっています。中でもアジアに
おいては中国マーケットが、その経済成長力と市場規模の大きさから非常に
高い関心を持たれています。
今回は、日本企業の中国進出のコンサルティングを数多く手がけている
上海潤東バイオテクジャパン株式会社 代表取締役の陳 建君講師をお招きし、
中国市場進出の成功の秘訣について食品・飲料事例を中心にご解説頂きました。
・中国においては「健康食品」について法的な定義はないが、
一般的に「健康によい」「体にいい」食品。
・その中に保健機能(ヘルスクレーム)を訴求できる「保健食品」がある。
・「保健食品」とは、特定の保健効能を有する食品、あるいはビタミン、
ミネラルを補充することを目的とした食品。
・中国健康食品の市場規模
→2009年に日本を抜き、アメリカに次ぐ世界第2位の市場になっている。
・中国健康市場急成長の原因
・中国健康食品市場の特徴
→市場構成は経済の発達状況により多く影響されている。
・中国保健食品売上ランキングTOP5
・王老吉(ワン・ラオ・ジー)
→保健食品ではないが、保健食品のイメージをうまく使い、中国NO.1の
売上を達成する。
・脳白金(ナオ・バイ・ジン)
→睡眠改善、便通良好。親孝行のためのお土産としてアピールする。
・ヤクルトの乳酸菌飲料
→中国乳酸菌飲料市場シェアの43.10%(2012年)
・安全安心、高品質、健康志向などの理由で97%の人が日本食品に対する
購入意欲があり、人気の高さがうかがえる。
(上海を中心に20代~50代の男女400人に行った食品購入アンケート)
・購買意欲を掻き立てる見せ方の工夫が必要
→Made in Japanに対する高い期待、少々高くても良いものは良い。
・ストラテジーポジショニング
・現地での「よい」関係を築く
・ローカライズ…日本式の管理スタイルは完全実行不可
お話の冒頭に中国市場に関する日本のいろいろなコメンテーターの方々の
解説には誤ったものもある。中国に関する市場情報がどのように集計されて
いるかをチェックすることも大事。そして中国市場の現場を見ることが必要と
前置きされて中国健康食品市場への参入についてご解説頂きました。
日本企業の中国向け健康食品の開発支援やコンサルティングの実践経験に
基づいてのお話でしたので大変リアリテイを感じました。
(マーケテイング共創協会 座間 忠雄)