第1129回 マーケティング創造研究会 | |||||
日 時 | 2015年3月19日(木)14:30~16:30 | ||||
テーマ | 「カラーからみた生活者心理動向」 | ||||
講 師 | 株式会社 日本カラーデザイン研究所 環境事業部長 杉山 朗子 氏 |
今回は、時代の気分や消費者の心理変化によって色の嗜好はどう変わっていくか、
実務のための研究と調査を続けている(株)カラーデザイン研究所 環境事業部長の
杉山講師をお招きしてご解説頂きました。
・実用に向けたNCD HUE&TONEシステム
・トーンは感覚転移しやすい/質を意味する
・カラーはシステムも日本文化に根ざす
・日本の慣用色独自の色相
→ベンガラ色、漆の赤、砥の粉色、和紙の色、土の色、藍染めの色、青花の色
・基本となるカラーイメージスケール
・生活場面では、目に入る「色の構成」でイメージが捉えられる
・ビール系飲料のパッケージの色
・ファッションの色
・因子分析によって抽出された因子軸
WARM-COOL(色相に関与する軸)、SOFT-HARD(明度に関与する軸)
の2軸で70~80%が説明できる
・言葉イメージと配色イメージの等価性
WARM-COOL、SOFT-HARD軸からみた色・素材・柄・形の総合判断
・感性ライフスタイル調査
・クラスター分析結果
① こだわりナチュラル派
②ヘルシーカジュアル派
③エンタメカジュアル派
④ビューテイエレガント派
⑤堅実ダンディ
⑥洗練ゴージャス派
・嗜好判定テイストタイプ16
①パワフル元気志向
②ボーダーレスIT化志向
③前向きリッチ志向
④まじめ本質志向
⑤ナチュラル癒し志向
⑥最先端技術志向
①2015年 女性の嗜好イメージポジション
②団塊世代嗜好イメージポジション
③さとり世代5タイプ嗜好イメージポジション
④時代動向分析―今後のポイント
⑤2015春シーズンのイメージ動向
杉山講師のお話の中でもご紹介がありましたが、(株)日本カラーデザイン
研究所の創立者は小林重順先生ですが、小林先生の著書「日本人の心と色」
(1974年刊)には、「色は人の心や文化の反映である」という視点から書かれ、
色彩実務のためのカラーイメージスケール(WARM-COOL、SOFT―HARD)の
紹介がありました。当時、その著書を読んで興味を持ち、小林先生に研究会での
ご講演を依頼しました。その色彩論は大変ユニークかつ有用なものとして参加者の
実務家の皆様に関心を持たれました。
今回の杉山講師のお話の中に「ことばと色」の関係として「楽しいと色の関係」
「悲しいと色の関係」「香りと色」「食べ物や飲料の中身と味と色の関係」といった
お話が出てきました。そうしたお話に関連して、色つまり視覚が関与するもの以外でも
味覚、嗅覚、触覚、聴覚の分野においてもそれなりの実務的なイメージスケールが
導入できるのではなかろうかと思いました。
(マーケテイング共創協会 座間 忠雄)