Zama talk

2015年04月16日
「バイオミメティクスの考え方と製品作りへの応用」井須 紀文 氏
 第1131回 マーケティング創造研究会
日 時 2015年4月16日(木)14:30~16:30
テーマ バイオミメティクスの考え方と製品作りへの応用
講 師 株式会社 LIXIL  技術研究本部 分析・評価センター センター長 井須 紀文 氏


 今回は、株式会社 LIXIL 技術研究本部 分析・評価センター長 井須 紀文 氏を
講師にお招きし、バイオミメティクスの考え方とその応用についてご解説頂きました。





(主な内容)

    

 はじめに


・バイオミメティクスとは・・・動植物など自然の生体に学ぶ開発の考え方
・バイオミメティクスの流れ(歴史)

 

1.これからのものづくり


・少ない環境負荷で持続している自然に学ぶ・・・人と地球を考えたものづ くり
・自然(カタツムリ)に学ぶ・・・カタツムリは“なぜいつもきれいか?”
・住空間の防汚技術・・・ナノテクコントロールによる表面制御
・カタツムリの表面・・・プラスチックに近い
・カタツムリの殻の秘密
・住宅の「汚れ」の原因をつきとめ、適所適材の表面技術を実現

  

 2.サステナブルスタイル 入浴・食・排泄の研究


・フォームバス(水を使わない入浴)
・デポジットトイレ・スタンド(水を使わないトイレ)
・野菜を育てるキッチン(水と有機資源の循環システム)

  

 3.土や岩を住居に利用


・土の利用
・住宅用途のセラミック材料
・都市型外壁汚れ主成分
・カタツムリとマイクロガード
・トイレを汚れにくくする
・土蔵と土に学ぶ


 






 小さい頃、野山にかこまれた田舎で育った私には、カタツムリは見慣れた存在でした。
そのカタツムリの形質が人間の技術文明にとりこまれていることを知り、
ヘエ~と新鮮な驚きを感じました。

 バイオミメティクスの例としては、スイス人がアルプス登山をした時に自分の服や
愛犬に張り付いた野生ゴボウの実にヒントを得て研究・開発された、面ファスナー
(マジックテープ)が知られていますが、ホームページで現在進められている
バイオミメティクスの例をみてみると、次のようなものが挙がっていました。


・ハチドリ・・・空中静止、特殊飛行を実現する特殊飛翔ロボットの開発。
・ヤモリ・・・くっつきやすくはがれやすい「ヤモリテープ」の開発。
・玉虫・・・羽根の体表面に特殊感覚を備えている。そのセンシング技術を活用し、
      高性能赤外線センサーを開発する。
・紋白蝶・・・この蝶の口の内側は特殊構造になっており、吸い口に筋肉がなくとも蜜を
       吸い取る機能を備えている。その機能・構造を真似ることにより、
       各種用途の毛細管を開発する。

 また21世紀の夢の素材としてクモの糸が挙げられていました。

 そして最近の朝日新聞(4月18日 朝刊)にトンネルを掘る「シールド工法」 が
二枚貝の仲間、フナクイムシの生態をヒントに開発されたことが紹介されて いました。  

(マーケテイング共創協会 座間 忠雄)


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