第1134回 マーケティング創造研究会 | |||||
日 時 | 2015年5月20日(水)14:30~16:30 | ||||
テーマ |
「質的調査の有効的活用法 ~インタビューから観察法、MROC(エムロック)までの実践と今後の展望」 |
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講 師 |
株式会社 ジャパン・マーケティング・エージェンシー 定性調査部 シニアディレクター 梅津 順江 氏 |
今回は、定性調査のモデレーター経験豊富な(株)ジャパン・マーケテイング・
エージェンシーの梅津さんを講師にお招きして、定性調査の全体像と個々の調査
手法の活用方法についてご解説頂きました。
・「なぜ買わない?」と問うてはいけないのか?
・答やアイデアを直接的に求めてはいけない?
・「本質直観」で物事を捉える
・インサイトとは何か?
・消費者意識や行動の仮説づくりが難しくなっている
・データだけでは生活者の理解が難しくなってきている
・定性調査と定量調査とを使い分ける必要がある
・定性調査の長所と短所
・「ジョハリの窓」×「氷山モデル」
・定性調査の主な種類
・潜在的なニーズや問題点抽出のテーマやカテゴリーに適している
・行動観察の3つの柱
・事例の紹介
・MROCの具体的な特徴
・グループインタビューとMROCの比較
―どちらにも利点や課題がある
・「女子」を考えるプロジェクトの例
・「熟考型コミュニテイ」だからこそ、みえた“思考プロセスと本音“
・MROCで扱うことの多いコミュニティのタイプやテーマ
・MROCから得た事実と発見
「何が欲しいですか?」と聞かれても消費者は口に出して言えない、
自分のニーズが何かさえわかっていない。今日の状況は、「ジョハリの窓」
で言えば、メーカーも消費者もお互いにわかってはいない「未知の窓」の時代に
直面しています。そうした時代においては、梅津講師もおっしゃっていたように
「ジョハリの窓」×「氷山モデル」の認識が必要であり、そのための定性調査
(行動観察やMROC)が重要になってきています。
そして定性調査を実施し、有効化するためには、無意識心理学や哲学の方法、
本質直観が大事になってきているということを感じました。
定量調査中心の時代においては、マーケターには統計学や数学の知識が必要
でしたが、無意識を探る定性調査の時代においては、人間とは何か・無意識とは
何かを考える心理学や哲学が必要になってきているように思います。
(マーケテイング共創協会 座間 忠雄)