第1141回 マーケティング創造研究会 | |||||
日 時 | 2015年9月9日(水)14:30~16:30 | ||||
テーマ |
「多様な現代シニア ~マーケティングターゲットとして 理解するための新たな切り口」 |
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講 師 |
株式会社ビデオリサーチ ソリューション推進局 生活者インテリジェンス部 課長 對馬 友美子 氏 |
今回は、老年学の専門家や外部コンサルタントと共に、独自にシニアの
調査・研究をされている株式会社ビデオリサーチ ソリューション推進局
生活者インテリジェンス部課長 對馬 友美子 氏にマーケティングターゲット
としてのシニア層の新たな切り口についてご解説頂きました。
・2人に1人が50歳以上に(2023年以降)
・現在、中央値年齢46.8歳
・シニアが多数になった社会の定義
-高齢化社会(65歳以上が7%)
-高齢社会(65歳以上が14%)
-超高齢社会(65歳以上が21%)
・高齢化“率”はローカルエリアが高い
・若者に近づく意識
・シニア・高齢者の決まった定義はない
・ピーター・ラスレットの「人生4期論」
・シニアならではの共通特徴
(1)「エイジングイベント」の増加・深化
(2)「人生の引き算感」
(3)「追体験」意向
・現代シニアの詳細を捉える「1000人調査」
-エイジング意識・メディア接触率・好きなファッションブランド
・多様なシニアを捉える「価値観」
・価値観のパターンは6つ
・「これからの人生のテーマ」もそれぞれ違う
(1)ブランド・メディアはどう違う
・どんなブランドを使っているでしょう?(ファンデーション・女性)
・どんなブランドを飲んでいるでしょう?(ビール系飲料・男性)
・クラスター別メディア接触量
・テレビの見方・意識
(2)活用事例
・「旅行」をキーワードとした商品コンセプト提案
・流通企業のMDコンセプト開発
・番組コンテンツコンセプト提案
いま関心を持たれているシニアマーケットについて、高齢化社会、高齢社会、
超高齢社会の定義や年齢分布の基礎的なお話から6タイプのシニア像まで、
分析的・論理的にお話し頂いたのでシニアマーケット全体の構造が大変スッキリ
した感じで理解できました。
シニア層は人生を長く生きているので、その状況・属性は多様ですが、それを
価値観という視点からセグメントしています。
「心のゲート」が開かれた若い時に吸収したことがその後の人生に大きく影響
している、それがシニア段階においても影響しているというお話は納得性の高い
お話でした。また「車イスに伴うネガテイブな印象を払拭できるようなスマートな
印象の乗り物が求められる」という調査(事例)も、これからのシニア向け商品開発
の大きなヒントになると思いました。
(マーケテイング共創協会 座間 忠雄)