第1180回 マーケティング創造研究会 | |||||
日 時 | 2017年06月07日(水)14:30~16:30 | ||||
テーマ | 「『生活者研究から生まれた新しい環境啓発活動』~味の素・花王の協働アクションを支えた生活者調査とは~」 | ||||
講 師 |
花王株式会社サステナビリティ推進部 井上 紀子 氏/味の素株式会社グローバルコミュニケーション部 坂本 眞紀 氏 |
今回は、味の素(株)と花王(株)の協働「生活者調査と新しい環境啓発活動」について、
坂本眞紀講師と井上紀子講師に、ご解説頂きました。
生活者とともに、“くらしの中のエコ”を考える 場を創ることを目標に両社による協働の
「食とくらしのサステナブル・ライフスタイル研究会」が立ちあげられました。
●2014年10月~2015年3月 「エコ家事レシピ」実践トライアル調査の実施
●2015年 川崎市との協働開始
●2016年 小学生向け体験型環境教育プログラムを開発・実施
●環境問題(エコ)に「関心あり」「やや関心あり」「あまり関心がない」は 2:6:2
●「やや関心あり」層の生活者が暮らしにエコ行動を取り入れる「きっかけ」と
「ハードル」を探る
●属性によるエコ行動への関心の違い――エコ行動実践は、「節約意識」からくるものと
「環境意識」からくるものがある。
それぞれ「日常生活の切迫度」、「子どもの有無」が意識の強さに影響する二大要因に
なっている。
●エコ行動の実践ステップをすすめる要件
(1)知る・興味を持つ
(2)やってみて実感する・続ける気になる
(3)共有する・くふうする
●ペルソナを用いたアイデア事例
そして<まとめ>として、以下「家事まわりエコ行動促進策に必要な要件」をあげられ
ました。
◆自分や家族にとっても、価値のある「家事スタイル」、或いは「ライフスタイル」
として、前向きな興味を持てる。
◆身近なところ(自分・家族・暮らしている地域等)で、自分が取り組んだ効果や
変化を実感できる。
◆企業だけでなく、NPOや自治体等を巻き込んで、企業目線ではなく、共通の価値観
であることを伝える。
21世紀のマーケティングには、消費者の無意識に訴求する市場対応が求められる
とともに、意識されにくい生活環境へのマイナス要素を意識し、対応することが
求められている。そうした対応のためには企業間での協働作業も今後は必要になる
ということだろうと思います。
(マーケティング共創協会 座間 忠雄)